今日見たあの子の足

タイトルだけ見たら確実に署までご同行願われるかもしれないが、

 

とにかく、さっき見た、あの子の

あの足を、忘れない為に、人の記憶はあまりにも曖昧だから。

 

だからここに記す。

 

そうあれはついさっき、20分ほど前。今日は金曜の夜。友人とお酒を嗜みほろ酔い気分で最寄りの駅に降り立った。

今年の10月は23年ぶりの寒さらしい。

どうりで全身が小刻みに震えているわけだ。

こんな日はコンビニの「温かい飲み物コーナー」の前に佇みある程度体を温めた後、

温かい午後の紅茶を買ってカイロ代わりにして帰路につこうなどと考えながら改札の方に目を向ける。

 

そして、

 

それが目に飛び込んできたのだ。

 

なんだあれは。

強烈な美を放っている二つの細長いものがあるぞ。

 

私の脳は理解することを拒んだ。その存在を拒んだ。

しかしそれはそこにある。あるのだ。

 

、、、、そうか。あれは「足」だ。

「足」なんだ。

 

私たち人間の象徴でもある二足歩行。それを可能にしている偉大なる「足」

しかしそこには歩くための、という概念を超えた足があった。もはやそれは足なのか

それとも別物の何かであるのか。私にはわからない。

 

私は初めて神に祈りを捧げた。

仏陀か、ジーザスか、いや私達の上に確かに存在する強大な何かしらの存在に対して。

 

人生で初めて目に見えない強大な存在を信じ始めたと同時に、

 

私の脳内の全ニューロンが臨戦態勢に入り、

瞬く間に海馬は肥大化、その足の形状、曲線、全てを脳裏に焼き付けることに成功した。

 

私の脳内にはありありと、まるで目の前にソレがあるように記憶が残っている。

確実に映像としてはその美しさを保っているのだ。

 

しかし少しずつその記憶は失われつつある。

その足の縁は段々とぼやけていき遂にはなんだかよく分からない細長い二つの何かになってしまう。そうなる前に、、、。そうなる前に、、、、!!

 

 

しかし、これを形容する。それをするには私はあまりにも未熟で、ただただ己の無力さに腹立たしさを覚えることしかできない。

無理だ。私には無理だ。無理なんだよ。

 

 

しかし私は抗いたい。人智を超えた足に対して人類ができることは何なのか。

それは諦めないことである。

無理だろうが、不可能だろうが、少しずつでも前に進むこと、それが人類に与えられた使命である。

 

 

 

 

私は挑戦する。するぞ。よし。決意を固めた。

私の今までの人生を裏切らないためにも、私の持てる力を全て出し切るのだ。

とにかく全力でぶつかってやる。

 

よし!己の全てを出し切ってあの足を形容してみせる!!!

 

いくぞオオオオ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

菜々緒みたいな足だった。」

 

 

 

 

 

 

 

 

すみませんでした。